会議革命(2)

コラム

前編に引き続き、より良い会議について考えてみましょう。

よーし、がんばろう!とやる気を喚起するような会議やミーティングには必ず「ファシリテーター」がいます。
しかも、優秀なファシリテーターです。

ファシリテーターの役割は、単なる司会進行ではありません。
司会進行にプラスアルファの役目があります。
それは「参加者への働きかけ」です。
この「働きかけ」のタイミングや頻度が、参加者間の「相互理解度」を左右します。

「場」の創生

まず第一にファシリテーターがするべきことは「場」を創ることです。

全員が安心して発言できる場とは?

誰しも、大勢の人を前にして発言する時には緊張します。
「間違ったこと、場違いなことを言ったら笑われるかも…」
「バカなこと言ってると思われたくないな…」
「自分の意見なんて価値ないし、誰も聞くはずがない…」

そう思う人にも、会議に参加している以上、必ず「想い」や「意見」はあるはずです。
そう思う人の中にこそ、求めていたアイデアや現状打破の種が潜んでいることもあります。

優秀なファシリテーターは、そういった人たちにも安心して発言してもらえるような環境を整えます。

具体的には何をするのか?

ひとつは「ルール作り」です。
発言する人の「時間」を守るルールが必要です。

 「指名したらミュート解除して話してください」

指名された人以外は聞くに徹すること、最後まで発言者の話を聞くことをルールとして徹底し、環境として整えることがファシリテーターの役割です。

「誰かが発言している間は勝手に割り込んではいけない」ということを共通認識として全員が理解する必要があのです。
ファシリテーターには「発言権を与奪する権限がある」ということです。

 「発言したいときは手を挙げてください」

など、発言権を求める際のアクションもルールに加えておくとよいでしょう。

ルール作りと並んで重要なことは、ルールを守らない人を見過ごさないこと。
誰かがルールを破り、それが通用するとわかってしまえば、ルールは机上の空論となります。
ファシリテーターには毅然とした態度も求められます。

次に、空気を創ること。
皆が気持ちよく参加できる場の空気を創ることです。

ホストとして参加者を笑顔で迎え入れること、声かけを怠らないこと。
「ウェルカム」を伝えることが大切です。
参加者全員が「自分はここにいていいのだ、存在価値があるのだ」と感じられるように。

会議スタート時、まずは全員にひとことづつ話してもらうのもよいでしょう。
各自の参加者意識や集中力が高まります。

本題に入る前の準備として、ルールが共有されていること、場の空気を温めることを心がけましょう。

「引き出す」ために

会議中、ファシリテーターはふたつのことを「引き出す」必要があります。

ひとつは「反応」。参加者の反応です。
リモート環境で参加者の反応を見極めることは簡単なことではありません。
参加者数が多ければ多いほど、反応を表す顔や目の表情の変化は目視できなくなります。
(そのために共同ホストが重要なのです!)

 「●●だったら△△△してください」

というように、理解度を確認したい、OKかNGかを知りたい、という時には、具体的なアクションを促す必要があります。
「どうですか?」とふんわり訊ねたら、参加者はどのように反応したらいいのかわからないからです。

手を挙げてください、リアクションボタンで👍を見せてください、チャットで答えてください…

等々、具体的なアクションを指示して「反応してもらう」というステップが非常に、本当に、重要なことなのです。

もうひとつ、引き出すのは「ひとりひとりの意見」です。
とかく、声の大きい人の意見がまかり通ってしまう、ということが起こりがちの会議。
優秀なファシリテーターには公平性も求められることを忘れないでください。
リモートならば、ひとりひとりの発言権をファシリテーターが「管理」できます。
(少なくともリアルより管理しやすいはずです)
発言することが苦手な人、なかなか手を挙げられない人にもスポットライトを当ててあげてください。

「発言する」という行動は、ひとりひとりの参加者意識を高めること、尊厳欲求を満たすことに繋がります。

安心・安全が保障された場で、全員がひとつの目的達成に向かって活発に意見交換・議論ができる会議。
ファシリテーターの皆さん、ぜひそのような会議を強い心で牽引していってください。

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